社会性昆虫と組織と勝利点(1)

本を何冊も読んでいると時々テーマが重なったり、別々の内容なのに繋がったりとカクテルみたいに面白い考えが自分の中で出てくることがある。

その中で忘れられない組み合わせがあって何度か話したことはあるけど書いたことがなかったので整理するために書いてみる。

 

一冊目は『ハキリアリ』という名前の通りハキリアリの生態を写真付きで詳しく紹介している本。

その中でハキリアリというアリは真社会性昆虫であり、そのコロニーを超個体と呼ぶ、と紹介されている。

その内容も面白いが繋がりを覚えたのはこの真社会性昆虫と超個体という部分だったのでその点について触れる。

 

真社会性昆虫はアリやハチの生態をイメージするとわかりやすい。

社会性という言葉が示すようにアリやハチは社会を作って分業している。

女王アリがいて働きアリがいてそれぞれがその集団の中で役割を果たしている。この状態を社会性と呼ぶらしい。

このような分業を高度に発達させたものが真社会性と呼ばれ、昆虫の中でも2%程度しかいない。

 

具体的な分業は、卵を産む女王アリ、女王アリや卵の世話をする働きアリ、餌を取ってくる働きアリ、外的から巣を守る兵隊アリ、などがある。

それぞれの生態も興味深いがそこはさておき。

アリ達の巣をコロニーと呼び、これら分業したアリ達をのコロニーを超個体と呼ぶ。

一般に生物の個体は、一体で生きていく機能を完結している。つまり、餌を取って、自身の体を整えて、生殖して、と一体で生きていくことができるようになっている。

実際にはヒトを含めて多くの生物が群れを作っているがそれは生きやすくしているだけで生きていくこと自体は群れがなくてもできる。

しかし、ハキリアリのコロニーはその中から一体のアリを取り出しても生きていくことはできない。分業しているアリ達全体で一つの個体として成り立っている。

このような形のコロニーが超個体になる。

 

この生態が非常に興味深くて頭に残っていた時に次の記事で紹介する予定の本を読んでびびっと来るものがあった。

一気に書くと息切れしてまとまらなくて結局書かなくなりそうなので今回はこのあたりで。